パンダでもわかる量子コンピューティング「量子の世界」

パンダワン

これからの時代は量子コンピュータがスゴイ!って言われているの、なぁ~ぜ、なぁ~ぜ?

マスター

少ない回数の計算で瞬時に答えを導き出せることです。例えば自転車などに使う4桁のダイヤル錠を想像してください。「0390」という番号で解錠できるとします。ふつうのコンピューターは「0000」から「9999」まで1つずつ数字を試して答えを探します。これに対して量子コンピューターはあっという間に「0390」を特定できてしまうイメージです。

ふつうのコンピュータ
最大10000回

000か9999まで順番に試していく・・・
1度に表せるのは1つだけ
0と1のどちらかを表現(1bit)


量子コンピュータ
瞬時に特定

0000から9999すべての数字を
(確率的に)同時に扱える。
0と1を同時に表現(1Qubit)
パンダワン

え?なぜ??瞬時に答えを導き出すことができるのだろう?

パンダワン

そもそも「量子」とは何のことなのでしょうか?

マスター

まず、「量子」について話しましょう。

マスター

人間の体や身の回りの物質を形づくるのは原子です。

人間  約1.5m~1.8m
パンダ 約1.2~1.9m
臓器  0.1m(約6~12cm)
細胞  0.00001m
分子  0.00000001m (1cmの、1/1億分の1~1千万分の1)

原子  0.0000000001m … (1cmの、100億分の1)
原子核 原子の中心に小さな塊(原子の 1/100,000、1cmの、1兆分の1~1千億分の1)

電子  決まった軌道を周回する粒子で雲状に広がります。

陽子  +の電荷を持つ(電荷の大きさは電子と同じ)
中性子 電荷なし

マスター

人間の体や身の回りの物質を形づくるのは原子です。 その原子は電子や陽子、中性子でできています。 量子はこうした原子レベル以下の物質やエネルギーの粒のようなものと思ってください。

マスター

この量子には不思議な現象が起こります。それは「同時に2つ以上の状態をとる」という現象です。

パンダワン

はぁ???

マスター

何のことだかよく分かりませんね(笑)
例えば 2つの「おみくじ」があり、その中に「あたり」が1つはいっているとします。

マスター

ふつうなら左右どちらかの1つしか「あたり」が入っていませんね。

パンダワン

はい、「あたり」か「はずれ」かのどちらかですね!

マスター

しかし量子の世界では不思議なことに「左右どちらにもあたりがある」状態が起こりえます。

にわかに信じがたい現象ですが量子の世界にみられるこの物理法則を「量子力学」と呼びます。

パンダワン

え~・・・わかったような・・わからないような・・・

マスター

もう1つ有名なたとえるならば、投げたコインの状態です。

コインの状態は確率的に決まり、量子もつれになったコインたちは状態が同期している。


コインの状態は確率的に決まるというのは、コインを投げる前には表か裏かが決まっていないということです。 コインを投げた後には、表か裏のどちらかに確率的に決まります。
このように、確率的に決まる状態を 量子状態 と呼びます。 量子状態は、光や電子などの小さな粒子にも見られます

パンダワン

きゃ~ ますますわからない・・・汗

(ここから下は、パンダワンには少し難しい補足...)

マスター

量子力学とコイン投げの関係について・・・

量子力学は、ミクロの世界の物理法則を記述する理論ですが、その法則は古典的な物理法則とは大きく異なります。例えば、コインを投げるとき、古典的な物理法則では、コインの初期状態と力のかかり方によって、最終的に裏か表かが決まります。しかし、量子力学では、コインの最終的な状態は確率的に決まります。つまり、コインの初期状態と力のかかり方が同じでも、裏になる確率と表になる確率がそれぞれ一定の値を持ちます。この確率は、コインの状態を表す波動関数という数学的な関数によって与えられます。波動関数は、コインの位置や運動量などの物理量を表す演算子という数学的な操作によって変化します。波動関数の絶対値の2乗は、コインの状態がある物理量の値を持つ確率を表します。例えば、コインの状態が裏か表かを表す演算子をZとすると、波動関数のZによる変化は、コインの状態が裏か表かの確率を表します。このように、量子力学では、コインの状態は確率的に決まり、その確率は波動関数と演算子によって与えられます。

マスター

量子もつれについて・・・

量子もつれとは、2つ以上のコインが強い相互作用によって結びついた状態であり、そのコインたちの状態は互いに依存しています。例えば、2つのコインが量子もつれになっているとき、一方のコインが裏になると、もう一方のコインも裏になります。逆に、一方のコインが表になると、もう一方のコインも表になります。このように、量子もつれになったコインたちは、一方のコインの状態を知ると、もう一方のコインの状態もわかるという性質を持ちます。この性質は、コインたちが離れていても成り立ちます。つまり、量子もつれになったコインたちは、空間的に離れていても、状態が同期しています。この現象は、古典的な物理法則では説明できない不思議な現象です。