CVCA
Customer Value Chain Analysisの略。顧客価値連鎖分析。
CVCAはスタンフォード大学の故石井浩介先生らによって開発された。 まず製品に関係する全てのステークホルダーを顧客として洗い出し、次にステークホルダー間のお金や情報(クレームなどを含む)のやり取りを整理することで、どのような価値が、誰に提供されるのかを見える化する分析手法である。
CVCAの結果からは、より良い価値交換を考えるきっかけが得られる。パソコンの部品メーカーの例を図に示す。
例えば、メンテナンス時の価値交換に着目すると、販売店で修理するまでも無い故障の場合、修理用パーツをエンドユーザーがパーツショップに買いに行くよりも、自社からエンドユーザーに直接提供した方が、納期とコスト両面において互いにメリットがあるといったことに気付くことができる。
製品を企画するにあたって顧客の要求を洗い出すことは重要だが、その前に、そもそも誰が顧客なのかを把握することはもっと重要だ。ユーザーに限らず製品に関わるステークホルダー(例えば中間業者や物流業者など)を顧客と捉えた場合に、製品が提供すべき価値が変わってしまうためである。
CVCAはステークホルダー間の価値の連鎖を見える化することには有効だが、どうして関係者間にそのような価値の連鎖があるのかまでは見える化できない。この点を補完するためにWCAが開発された。