NISQアルゴリズム

NISQアルゴリズムとは、現在の量子コンピュータの技術水準で実現可能なアルゴリズムのことです。NISQはNoisy Intermediate-Scale Quantum deviceの略で、数年〜十年以内に実現が見込まれる、小〜中規模(量子ビット数〜数百個程度)の量子コンピュータの総称です。NISQデバイスは、大量の量子ビットを必要とする「量子誤り訂正」を行うことができず、計算途中で起こる誤り(ノイズ)の影響をもろに受けてしまいます。そのため、NISQアルゴリズムは少数の量子ビットで、かつ浅い量子回路(少ない量子ゲート数)で行える必要があります。

NISQアルゴリズムには、さまざまな種類がありますが、大きく分けると、量子最適化アルゴリズムと量子機械学習アルゴリズムに分類できます。量子最適化アルゴリズムは、組合せ最適化問題や量子化学問題などを解くためのアルゴリズムで、VQEやQAOAなどが代表例です。量子機械学習アルゴリズムは、量子コンピュータを機械学習に応用するためのアルゴリズムで、QCLやQCBMなどが代表例です。